絲山秋子フェア

●海の仙人
絲山 秋子

海の仙人
新潮社 2004-08-28
売り上げランキング : 89597

おすすめ平均 star
star涙は出ずに
star絶対的な孤独
starどこかで読んだことある?

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◆ 会社を辞め海の近く敦賀の町で自分のペースで暮らす男河野勝男、そして突然現れた「神様」ファンタジー。奇妙な神様はそのまま居候になる。やがて河野は中 村かりんという女性に出会う。つかず離れずの関係でかりんは癌で逝く。淡々とした毎日。かりんと対照的な女性片桐妙子と3人での旅行はそんな生活の中でも 異質であった。河野の淡々とした毎日とそれを破る出来事が対照的だった。

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●逃亡くそたわけ
絲山秋子

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中央公論新社 2005-02-26
売り上げランキング : 226933
おすすめ平均 star

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◆ 21歳の躁うつ病女性(花ちゃん)と鬱病で休職中の男性サラリーマン(なごやん)が九州で織りなす精神病院からの逃避行である。花ちゃんはばりばりの博 多弁でまくし立てる一方、インテリの名古屋出身サラリーマンは自身が名古屋人であることを頑なに受け入れようとせず、標準語で通し続けている。
このやりとりが軽妙さを醸しだし、精神病院という重い出発点を和らげてくれる。なごやん所有のマツダ・ルーチェという懐かしい車で、野菜は盗むは、万引きするは、当て逃げするわ、無免許運転するわとハチャメチャ珍道中であるが、どこか愛らしい。
やはり、束縛から逃げたいという思い。これがどこかしら胸を打つのかも知れない。
評者は躁うつ病を患っているのでお断りしておきたいが、この病気が即こういう逸脱行動になるのではないということはご理解頂きたいと思う。しかし、「とにかく逃げたい」と衝動に駆られる「花ちゃん」の様子は「行為心迫」と思われ、さすがに頷けるところがあった。

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●イッツ・オンリー・トーク
絲山 秋子

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文藝春秋 2004-02-10
売り上げランキング : 279613
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◆ キャリアウーマンだった主人公は親友と両親を失い、仕事を辞めて蒲田の町へやってきた。そこはどこか懐かしい町ですぐに引っ越しを決める。 彼女の周りに は、大学時代の男友達、同病者のチンピラ、そして田舎からやってきた従兄弟、不思議な痴漢、つながりのない男達。そんな男達それぞれと刹那な時間を過ご す。 やがて一人、二人と彼女から去っていく。親友の墓前でそのことを嘆いて泣くシーンが印象的。躁うつ病を患い孤独と向き合いつつも、蒲田の町で「それ となく幸せ」に生きていく姿に好感を持った。
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●エスケイプ/アブセント
絲山 秋子

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新潮社 2006-12
売り上げランキング : 89599
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◆ 主人公は66年生まれの男。大学で過激派をしていた彼は40になり、いよいよ活動から足を洗って妹が始める託児所の手伝いをするという。その主人公の投げ やりだが、テンポのいい独白で物語は進んでいく。仙台の妹がいる自宅へ帰るまでの1週間だけ時間ができた彼は東京から関西へと旅立つ。途中離ればなれに なったままの双子の弟のことを思いだし京都で下車する。そして京都での怪しげなフランス人宅での居候生活が始まった。五条川端や京都大学の吉田寮や天下一 品など、なじみのある地名や店が私にはリアルである。数日の滞在の後、帰るまえにふと比叡山に登る。そこからは琵琶湖の景色が見え、彼の自由が終わるの だった。そして「エスケイプ」が終わった後、双子の弟は「アブセント」の中で九州から京都、滋賀の大津へとやってくる。そこでもまた彼の「自由」が終わる ということになっている。双子の兄弟の束縛、自由をドライで軽い台詞で描いている。

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